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iOS エンジニアの年収は?収入アップのスキルとキャリアプランを解説

iOS エンジニアの平均年収は、フリーランスなら 970 万円、正社員でも 600 万円台と高い水準です。しかし、本当に知りたいのはどうすれば年収 1,500 万円に到達できるのかという具体的な方法ではないでしょうか。

「今の会社でこれ以上成長できるだろうか」「ワークライフバランスを保ちながら専門スキルを伸ばしたい」「年齢的に最後の転職かもしれない」といった、さまざまな思いを抱えている方も多いはずです。

この記事では、年収アップに必要なスキル、さらにはvisionOSのような将来の給与を大きく左右する最新技術まで、具体的に解説します。読み終える頃には、あなたが次に何をすべきか、そのアクションプランが明確になっています。

目次

iOS エンジニアの年収相場【2025 年最新データ】

まずは、iOS エンジニアのリアルな年収相場を見ていきましょう。「フリーランス」「正社員」「経験年数」という 3 つの視点から、2025 年現在の最新データを解説します。ご自身の状況と比べながら、将来の目標設定に役立ててください。

フリーランスの平均年収は 970 万円!トップ層は 1,500 万円超え

フリーランスは、iOS エンジニアとして最も高い収入を狙える働き方です。大手フリーランスエージェントの求人データを見ると、平均年収は約 970 万円(月単価 80 万円前後)に達します。

もちろん、これは平均値です。スキルや経験によって金額は大きく変わります。
特に、この記事の後半で詳しく解説するSwiftUI での高度な開発経験アーキテクチャの設計スキルチームリーダー経験などを持つエンジニアは、月単価 120 万円以上(年収 1,440 万円)の案件を得ることも珍しくありません。

さらに、複数のサービスを技術面でまとめる CTO クラスのスキルや、事業の成長に直接貢献できるレベルなら、年収 1,500 万円超えの契約も夢ではありません。フリーランスは、自身のスキルがそのまま収入に反映される魅力的な働き方です。

正社員の平均年収は 600 万円台!大手や外資系なら 1,000 万円以上も

安定した働き方を求める方に人気の正社員 iOS エンジニアですが、こちらの平均年収は約 602 万円です。日本の平均給与は 458 万円なので、正社員でも十分に高い給与水準です。

ただし、正社員の年収は、所属する会社の規模や種類によって大きく変わる点を知っておきましょう。

中小・ベンチャー企業: 400 万円〜700 万円

大手・メガベンチャー企業: 600 万円〜1,200 万円

外資系企業: 800 万円〜1,500 万円以上

特に、自社サービス開発に力を入れている大手企業や、実力主義の外資系 IT 企業では、シニアクラスのエンジニアが年収 1,000 万円を超えるのは当たり前です。安定と高収入を両立するなら、どの会社を選ぶかが非常に重要になります。

【経験年数別】リアルな年収の変化

iOS エンジニアの年収は、もちろん経験を積むほど上がっていきます。ご自身のキャリア段階と比べて、市場価値が正しく評価されているかチェックしてみましょう。

経験年数年収の目安(正社員)特徴
未経験〜3 年300 万円 〜 450 万円まずは実務経験を積む時期。基本的なアプリを一人で作れるスキルを身につけるのが目標です。
3 年〜5 年500 万円 〜 800 万円チームの中心メンバーとして活躍。SwiftUI やアーキテクチャ設計など、高度なスキルが求められ、年収が大きく伸びます。
5 年〜10 年600 万円 〜 1,000 万円リーダーや専門家としてチームを引っ張ります。技術選びや後輩の育成など、開発以外の貢献も求められます。
10 年以上800 万円 〜技術顧問やマネージャーなど経営に近い立場へ。技術力だけでなく、事業や組織を伸ばす力が年収に影響します。

もしあなたの経験年数に対して年収がこの表より低い場合、スキルが給与に反映されていないかもしれません。転職によって、年収が大幅にアップする可能性は十分にあります。

実際の求人から分析する、年収 1,000 万円超えエンジニアの必須スキル

「高い年収は分かったけど、具体的に何ができればいいの?」
その疑問にお答えします。この章では、実際の求人内容を分析し、年収 1,000 万円、そして 1,500 万円の壁を突破するために絶対に必要なスキルを解説します。ただのスキル一覧ではなく、市場が本当に求めている「使えるスキル」を学んでいきましょう。

年収 1,000 万円クラスに求められるスキル

年収 1,000 万円を超える iOS エンジニアは、ただコードを書くだけでなく、「質の高いアプリを安定して開発・運用できる」スキルが必須です。

【想定求人:大手サービスの開発リーダー候補】

仕事内容

  • 主力アプリの新規機能開発や改善
  • SwiftUI を使った UI/UX の刷新
  • MVVM-C アーキテクチャの設計と導入
  • 若手メンバーのコードレビューや指導
  • CI/CD 環境の改善とテスト自動化
  • 年収: 900 万円~ 1,200 万円

このクラスの求人で共通して求められるスキルは、以下の通りです。

SwiftUI での実務経験
UIKit で作られた古いアプリを SwiftUI に置き換えた経験や、大規模アプリを SwiftUI で作った経験は、もはや必須です。特に、状態管理(@Stateや@Bindingなど)を深く理解しているかが試されます。

アーキテクチャ設計の経験
読みやすく修正しやすいコードを書くための設計図(MVVM, TCA, VIPERなど)を理解し、プロジェクトに合わせて選べるスキルが非常に重要です。「なぜこの設計を選んだのか」を説明できてこそ、シニアエンジニアの証です。

リーダー・指導経験
数人のチームをまとめた経験や、後輩のコードをレビューし、技術指導した経験は高く評価されます。チーム全体のパフォーマンスを上げる力は、個人の開発力以上に価値があります。

CI/CD とテストの知識
Xcode CloudGitHub Actionsなどを使って、ビルドやデプロイを自動化した経験、またXCTestでテストを書いた経験は、開発の品質とスピードを保証するために欠かせません。

年収 1500 万円クラスに必要な+ α の能力

年収 1,500 万円レベルに到達するには、優れた技術力に加え、事業や組織全体に良い影響を与える特別な力が必要になります。

【想定求人:メガベンチャーの iOS 技術責任者】

仕事内容

  • 複数のアプリにまたがる技術方針の決定と実行
  • 事業目標(KPI)から技術的な課題を見つけ、解決策を提案
  • iOS エンジニア組織の採用・育成・評価の仕組み作り
  • 海外拠点のエンジニアとの英語での技術的な交渉
  • visionOS など新技術の調査と事業化
  • 年収: 1,300 万円~ 1,800 万円

このレベルでは、もはや「iOS エンジニア」という枠を超えたスキルが求められます。

複数サービスをまとめた経験
一つのアプリだけでなく、複数のアプリやチームを横断して技術的な判断を下し、全体の品質や開発効率を上げた実績が求められます。

ビジネスへの貢献実績
「この機能でユーザーの継続率が X%上がった」「パフォーマンスを改善し、離脱率を Y%下げた」など、自分の技術的な仕事をビジネスの数字(KPI)で説明できる能力が何よりも大切です。

英語での技術交渉スキル
海外の開発チームと連携したり、海外の最新技術情報をいち早くキャッチして社内に展開したりと、グローバルに活躍できる英語力は、市場価値を飛躍的に高めます。

組織作りや採用への貢献
技術ブログやイベント登壇で会社の技術力をアピールしたり、組織全体の技術レベルを上げる仕組みを作ったりと、「強い開発チームを作る力」が評価されます。

なぜ iOS エンジニアは高収入?将来性と 2025 年以降の重要トレンド

iOS エンジニアの年収が高い理由は、専門性への根強いニーズと、進化し続ける技術への期待があるからです。ここでは高年収の理由と、2025 年以降にあなたの市場価値を決める 3 つの重要トレンドを解説します。

【理由 1】圧倒的な iPhone シェアと高い専門性

iOS エンジニアの需要を支える最大の理由は、日本のスマホ市場におけるiPhone の圧倒的なシェアです。総務省の調査でも国内シェアの約 7 割を iPhone が占めており、企業にとって iOS アプリ開発はビジネスに不可欠です。

そして、この巨大市場でアプリを作るには、Apple 独自の開発言語(Swift, Objective-C)と開発環境(Xcode)を深く理解する必要があります。誰もが簡単に参入できないこの「専門性の高さ」が、iOS エンジニアの価値を高め、高年収を支える大きな理由です。

【理由 2】2025 年以降の年収を決める 3 つの技術トレンド

安定した需要に加え、新しい技術をいち早く習得することが、さらなる年収アップの鍵です。特に以下の 3 つは、今後のあなたの市場価値を大きく左右します。

visionOS / Vision Pro:新市場で先行者メリットをつかむ
2024 年に登場した Apple Vision Pro とその OS であるvisionOSは、「空間コンピューティング」という全く新しい市場を生み出しました。これはスマホ登場以来の大きな変化であり、この初期段階で visionOS アプリ開発のスキルを身につければ、計り知れない先行者メリットを得られます。経験者がほぼいない今、このスキルは非常に希少であり、数年後には破格の条件で求められる可能性があります。

SwiftUI への完全移行:今や必須の最重要スキル
Apple は近年、アプリの見た目を作る技術を、従来のUIKitから、よりモダンなSwiftUIへと強力に移行を進めています。新しいプロジェクトはほとんど SwiftUI で作られ、古いアプリを SwiftUI に作り替える案件も急増中です。今後、SwiftUI は「できたら良い」ではなく「できて当たり前」のスキルになります。UIKit の知識も持ちつつ、SwiftUI を使いこなすことが、市場価値を保つ上で不可欠です。

AI/機械学習(CoreML):AI 機能をアプリに組み込むスキルの価値が急上昇
AI の進化は、iOS アプリ開発にも大きな影響を与えています。Apple が提供するCoreMLを使えば、画像認識や音声分析といった高度な AI 機能をアプリに実装できます。例えば「カメラで写したものを瞬時に判別する機能」や「ユーザーの好みを学習して最適な情報を薦める機能」などです。ただアプリが作れるだけでなく、AI/ML の知識を iOS アプリとして形にできるエンジニアの需要は、今後間違いなく増えていきます。

年収 1,500 万円を目指すキャリア戦略

これまでの情報を元に、高年収を達成するための具体的なキャリア戦略を整理します。どの道を選ぶにせよ、共通して言えるのは「市場価値の高いスキルを計画的に身につける」ことです。

キャリアプラン 1:フリーランスとして独立し、高単価案件を狙う

最も早く収入アップを目指せるのがフリーランスです。年収 1,200 万円以上を狙うには、以下の点が重要です。

戦略的なポートフォリオ作成 実績をただ並べるのではなく、「どんな課題を」「どの技術で」「どう解決し」「ビジネスにどう貢献したか」を具体的に示しましょう。特に、設計やパフォーマンス改善の実績は高く評価されます。

高単価に強いエージェントの活用 エージェントは複数登録し、自分のスキルを最も高く評価してくれる会社を見つけましょう。公開されていない高単価な案件を紹介してもらえるかが鍵です。

スキルの継続的な更新 仕事の合間に visionOS や CoreML といった最新技術を学び、GitHub などで発信しておけば、次の案件の交渉を有利に進められます。

キャリアプラン 2:正社員として「技術」か「マネジメント」を極める

安定した環境でキャリアを築くなら、社内で自分の価値を最大化する方向性を決めましょう。道は大きく 2 つあります。

テックリード(技術の専門家)の道
特定の技術を深く追求し、チームや組織全体の技術力を高める存在です。「この技術ならあの人」と言われる専門家を目指します。アーキテクチャ設計、技術選定、難しい課題の解決、若手の育成などを担うため、常に最新技術を学ぶ探究心が求められます。

エンジニアリングマネージャー(EM)/ PdM の道
技術的な知識を活かしつつ、人の管理(採用、育成、評価)や、製品の管理(企画、仕様決め、進行管理)に軸足を移すキャリアです。チームの成果を最大化し、事業の成長に責任を持ちます。メンバーに寄り添う力や、他部署と円滑に話を進める力が必要です。

市場価値をさらに高める 2 つの視点(ビジネス貢献と発信力)

どちらのキャリアを選ぶにしても、年収 1,000 万円の壁を越えるには、技術以外の視点が欠かせません。

ビジネス貢献力

「なぜこの機能が必要か」「事業のどの目標に貢献するのか」を常に考え、開発者として改善案を出せる力は、あなたを「言われた通り作る人」から「事業を共に創るパートナー」へとレベルアップさせます。

発信力(アウトプット)

技術ブログや勉強会での登壇は、社外にあなたの専門性を示す最も効果的な方法です。質の高い発信は自分のブランド価値を高め、市場から声がかかったり、より良いチャンスを引き寄せたりします。

キャリアの土台となる必須スキル一覧

どんなキャリアを目指す上でも、以下の基礎スキルは iOS エンジニアとしての土台です。常に磨き続けましょう。

開発言語: Swift(必須)、Objective-C(古いコードの読解や保守で価値が高い)

開発環境: Xcode(デバッグや分析ツールの習熟)

UI フレームワーク: SwiftUI(必須)、UIKit(既存コードの理解や保守)

アーキテクチャ: MVVM, TCA, VIPER などの設計思想の理解

非同期処理: async/await, Combine

ライブラリ管理: Swift Package Manager

周辺知識: Git でのバージョン管理、API 連携、HIG(Apple のデザイン原則)の理解、UI/UX の基礎知識

未経験から iOS エンジニアになるための最短 3 ステップ

ここまでは経験者向けの話が中心でしたが、未経験から iOS エンジニアを目指す方も多いでしょう。全くの初心者から就職するための、現実的な最短ルートを 3 ステップで紹介します。

STEP1:基礎を学び、開発環境を整える

まずはプログラミングの基礎と、開発に必要な道具を揃えることから始めます。

開発環境の準備

iOS アプリ開発にはMac が必須です。最初は中古の MacBook Air などでも大丈夫です。公式サイトから無料でXcodeをインストールしましょう。

Swift の基礎学習

Progate や Udemy などのオンライン教材や、定評のある入門書を使って、Swift 言語の基本的な文法(変数、繰り返し、関数、クラスなど)を学びます。

この段階では、完璧に分からなくても大丈夫です。まずは最後までやり遂げることを目標にしてください。

STEP2:証明書代わりのオリジナルアプリを作り、公開する

学んだ知識を元に、自分だけのオリジナルアプリを作ります。これが就職活動で最大の武器となる「ポートフォリオ」です。

アイデアを出す: 最初は ToDo リストや天気予報アプリのような簡単なもので OK です。既存のアプリを真似しつつ、何か一つでも自分なりの工夫を加えるのがポイントです。

作ってみる: 分からないことは、エラー文で検索したり、技術ブログを読んだりして、自力で解決する習慣をつけましょう。この「自己解決能力」はエンジニアにとって非常に重要です。

GitHub でコードを公開: 作ったアプリの設計図であるソースコードは、必ず GitHub で公開しましょう。採用担当者は、あなたのコードの書き方を見て、将来性を判断します。

App Store で公開(推奨): 少し大変ですが、完成したアプリを App Store で公開できれば、とても強力なアピールになります。「アプリを世に出す力」を証明できるからです。

STEP3:転職活動をしながら、学習を続ける

ポートフォリオが完成したら、いよいよ転職活動の開始です。

転職エージェントの活用

特に未経験からの転職では、専門エージェントの利用が近道です。ポートフォリオの見せ方や面接対策で、プロの助言がもらえます。未経験向けの求人を多く持つエージェントを選びましょう。

学習の継続

転職活動中も、作ったアプリに機能を追加したり、新しい技術(例えば SwiftUI)を学んだり、学習を止めない姿勢が大切です。そのやる気は面接でも高く評価されます。

最初の会社は、給料よりも「実務経験がしっかり積めるか」「学び続けられる環境か」を重視して選ぶのがおすすめです。一度実務経験を積めば、その後のキャリアの道は大きく開けます。

iOS エンジニアの年収に関する Q&A

最後に、iOS エンジニアの年収やキャリアについて、よくある質問にお答えします。

Objective-C はもう勉強しなくていいですか?

結論から言うと、学ぶ価値は十分にあります。

新しい開発で使うことは稀ですが、多くの大規模サービスや金融系アプリでは、今も大量の Objective-C コードが動いています。こうした古いコードを読み解き、Swift に書き換えたり、修正したりできるエンジニアは非常に市場価値が高いです。特に高単価な保守の案件を狙うフリーランスには強力な武器になります。まずは Swift を完璧にし、余裕ができたら Objective-C を学ぶ、という順番がおすすめです。

東京と地方で年収に差はありますか?

正社員ではまだ東京の方が高い傾向ですが、差は縮まっています。フリーランスのリモート案件なら、場所による差はほとんどありません。

リモートワークが普及したことで、地方に住みながら東京水準の給与・報酬を得るチャンスは大きく広がりました。特にフリーランス市場では、場所を問わない高単価なリモート案件がたくさんあるため、住む場所による年収の差はほぼ無くなったと言えます。

Android エンジニアから iOS エンジニアになるのは有利ですか?

はい、非常に有利です。

スマホアプリ開発の基本(ライフサイクル、UI/UX、API 連携など)をすでに理解しているため、学習はスムーズに進みます。主に学ぶのは、言語(Kotlin→Swift)、開発ツール(Android Studio→Xcode)、UI の作り方(Jetpack Compose→SwiftUI)の違いになります。両 OS の設計思想の違いを深く理解できれば、2 つの OS に精通した貴重なエンジニアとして、すぐに活躍できるでしょう。

この記事が、あなたのキャリアを前に進めるためのお役に立てば嬉しいです。自分の可能性を信じて、計画的にスキルを磨き、自信を持って次のステップへ進んでください。

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